英ポンド/円相場は、1月2日の142.75円をピークに、足元では141円水準まで上げ幅を縮小する展開になっている。特に目立ったポンドの売り材料などは見当たらないが、1月9~10日のイングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)を控えて、短期筋がポンド買い・円売りポジションの整理に動いた模様だ。ただ、特に積極的にポンド売り・円買いを仕掛けるような材料がある訳ではなく、大きな値動きには発展していない。年初からは、概ね140~142円水準での取引になっている。
MPCであるが、今会合では政策金利、資産購入プログラムともに据え置きが予測されている。昨年12月に発表された7~9月期国内総生産(GDP)が前期比+0.9%と低調だったことを考慮すれば、今会合で追加緩和策が導入される可能性も否定できない。今後はオリンピック効果が剥落することで景気減速リスクが一段と強まる可能性が高く、早めに追加緩和で景気刺激策を展開しても何ら違和感はない。仮に今会合での追加緩和が見送りになったとしても、比較的早い段階で緩和政策の拡大が行われる可能性が低く、ポンドの上昇幅は限定されよう。
もっとも、日本でも金融緩和圧力が強まる中、ポンドの下落余地も限定的だろう。日本政府は11日にも緊急経済対策をまとめる予定であり、22日の日本銀行・金融政策決定会合に向けて円を多い買い進むことは難しい。対ドルではポンド安が進み易いが、対円市場では英金融緩和の導入でポンド安が進むようであれば、改めてポンド買い・円売りを仕掛ける好機になると考えている。
今後1週間の予想レンジは、138.00~142.00円。